配信テスト 舞台「開演30分前」ってなに?

 この度2020年7月8日18:00〜ライブ配信のテスト公演、舞台『開演30分前』を開催することとなりました。

 これまで、様々な舞台作品の宣伝写真・宣伝美術に関わってきた私たちitodesignも、このコロナ禍において担当する公演が中止なる悔しい思いを経験しました。

 この先しばらくの間、舞台が縮小化し満員のお客様の前で公演することができないのではないか? そうなった時、自分たちにできることは何なのか? そんなことを自粛期間中に考えるようになりました。

 itodesignにはカメラ機材があり、ストリーム配信の知識もあります。対面型のエンターテインメントの活動状況が厳しい中、「動画配信」という形で商業演劇の再開に貢献できるのではないか? という考えに至りました。ただ、私たちは動画撮影の専門家ではないので、普通の配信をやっても仕方がない。

 そこで目指したのが、極力“人と機材を使わずに”演劇の配信を行う、ということでした。低コストなカメラと省スペースで、少しでも人と場所を減らした配信をしていく。さらに、その情報をオープンにして、小劇団や学生劇団を始め、多くの舞台関係者に参考・活用してもらおうと考えたのです。

 今回のテスト公演は、俳優の山崎愛仁さんと山口萌美さんにボランティアでの参加を快諾していただいたことで動き出しました。当初、オープンな形でのライブ配信をする予定はありませんでした。しかし、35分のこのお芝居が想像よりも面白かった(笑)。そして、何よりもありがたいことに『彩の国さいたま芸術劇場』様より技術協力をいただき、照明や音響が当初の想定よりも質の高い状態で行えるようになった。それによって、オープンなライブ配信が実現したのです。

 ということで、難しい話はさておき! 配信そのものを多くの皆様に楽しんでいただければと思います。お見苦しい点がないように努めて参りますが、テスト配信ですので温かい目で見守って下さい。

本公演の感染対策について

 本公演は新型コロナウィルス対策を万全にし、劇場内に入るスタッフ人数を最小限にして、関係者全員がマスクの着用およびソーシャルディスタンスを守り開催いたします。一般のお客様は来場いたしません。また、作品の演出上アンソーシャルディスタンスな部分が散見致しますが、考慮の上でのキャスティングとなっております。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

LiveU Soloによる配信
 今回の配信は三信電気株式会社のLiveU Soloを使用して配信をします。配信専用の館内LANを持たない彩の国さいたま劇場でどの程度の配信をすることができるのかを検証いたしました。
LiveU Soloは現在数多くのLAN環境のないライブ配信現場で採用されている配信用機器です。ノートPCよりコンパクトなサイズで配置場所を選びません。
詳細についてはLiveU Soloのサイトをご覧ください。
業務用館内LANによる配信
 彩の国さいたま芸術劇場では2020年7月8日現在配信専用のLAN環境がありませんでしたが、業務兼用の館内LANを使用して配信しました。7000kbpsでの配信です。30分の配信中に何度かコマ落ちする箇所がありました。
insta360 one XによるVR動画
 配信だけでなくいかにして演劇を動画コンテンツとして楽しんでもらうか?という観点から通常のカメラ映像だけでなく、360°VR動画での撮影も試してみました。360°VR動画はスマートフォンとVRゴーグルを使って視聴者の動きに合わせて画面が動きます。まだゴーグルの普及など課題の多いものになりますが今後の配信方法の一つと言えます。
 今回の動画は全て初期設定のままで撮影し、4K解像度でアップしました。
公演情報
あらすじ
 ここは劇団シェイキングスピアーズの本公演「ロミオとジュリエット」の開演30分前の楽屋・・・
 劇団の看板俳優、清水潔は何やら落ち着きがない様子で本番前を迎えていた。その時、彼女の佐藤ユキがすごい形相で楽屋に入ってきた。酒の匂いを巻き散らかす彼女は潔の浮気を疑い突然舞台を降板すると言いだした!浮気を否定する潔だが、「証拠の写真がある!」と潔に写真を見せつけるユキ。メイクも衣装も何もしていないユキを説得するタイムリミットは30分!果たして潔はユキを説得し無事本番を迎えられるのか!?そして浮気の真相とは・・・本番30分前の楽屋内30分間を描いたドタバタコメディ二人芝居。

キャスト
演出・脚本・出演
山口 萌美
@my_yukinoshita

出演
山崎 愛仁
@manahito_y


声の出演
左羽 知美
@saba_tomo


スタッフ
配信撮影・宣伝写真
伊藤 智美

配信技術・美術
伊藤 修嗣

レポート共同ライティング
西村 智宏

照明・音響技術協力
彩の国さいたま芸術劇場

主催
itodesign

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